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騎手の負担重量について

今回の競馬初心者の方向けコンテンツとして、騎手の負担重量についてまとめてみました。

初心者の方向けとは言っても、意外と自分でも正確に知らなかったことがたくさんありまして、いつも勉強になっています。

それだけ競馬は奥が深く、学べば学ぶほど魅力が増えていくものだなと実感しています。

もちろん、細かいルールを全て覚える必要はありませんし、それが予想に直結するかといえば全部が全部そうとはいえませんが、いざという時に知っているのと知らないのとでは、目の前のレースに対してアプローチできる視点が変わってくるのは事実です。

ということで、競馬予想には様々な要素がありますが、重要な要素の1つとして騎手の負担重量があります。
負担重量とは、実際に競走馬が背負う重量のことを言います。

人で考えれば分かりやすいですが、短距離走で5キロのリュックを背負っている人と何も背負っていない人では、速さに大きな差が出てしまいます。
これは極端な例ですが、考え方は同じであり、競馬においても負担重量は非常に重要です。

なぜ負担重量があるかと言えば、同じレースにも実績が異なるために実力差が出ることが明らかな場合や牡馬と牝馬の差はどうしてもあるため、全て一律にしてしまうと実力の差が顕著になってしまうからです。

レースによって予め決められているので、その内容にあわせて各陣営はどのレースに自分たちの馬を出走させるべきかを判断します。

負担重量の数字はそのまま騎手の重さとなりますので、騎手自身はレースで表記されている重量よりも軽い体重でなくてはなりません。

基本的には55kg前後が標準ですが、例えば48kgで出走するケースもありますので、その条件の馬に騎乗する場合、騎手は減量をしたりと苦労が絶えないものです。

負担重量はレースによって決め方が違いますので、それぞれ詳しく紹介していきます。

目次

馬齢重量

馬齢重量とは、決まった年齢のときに背負うことになる重量です。

平地競走においては、2歳の9月までは牡馬牝馬問わず一律54kg、10月から12月までは牡馬が55kgで牝馬が54kgとなっています。

3歳になると、9月まで牡馬は56kg、牝馬が54kgとなっており、10月からは牡馬が57kg、牝馬が55kgとなります。

馬齢重量のG1レースは2歳馬のチャンピオンを決める朝日杯フューチュリティーステークスに馬齢重量が採用されていますので、前に紹介したルールに沿って牡馬が55kg、牝馬が54kgとなっています。

その他には2歳重賞が多く該当し、G1は阪神ジュベナイルフィリーズ、G2では京王杯2歳ステークスやホープフルステークス、G3だと東京スポーツ杯2歳ステークスなどが施行されています。

別定戦

別定戦とは、馬の性別と年齢で定められる基準重量に加えて、その馬の獲得した賞金額と過去に勝利した重賞レース数などに応じて重量が加算され、負担重量が決定されるレースのことです。

そのため、計算上は著しく重い斤量になる場合もありますので、実績のある馬は出走を避ける場合があります。

競馬における負担重量は平地の場合、60kgを越えるとかなり重いとされており、近年では倫理的な観点からも60kgを越える場合は出走をしないケースがほとんどです。

過去には2002年に京都記念(G2)を制したナリタトップロードは負担重量60kgを背負っていたり、最近では2016年に地方交流レースでダノンレジェンドが同じく60kgで勝利した実績はありますが、いずれも大型で体格の大きい競走馬であり、並大抵の馬では出走はもちろん、出走しても好成績を出すのはなかなか難しい条件と言えます。

定量

定量とは、競走馬の性別や年齢によって事前に重量が決まっているレースです。
G1レースは、この定量もしくは馬齢重量です。

例えば年末のビッグレースである有馬記念は「3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減」の定量戦と定められています。

その他に定量で実施される主な重賞レースは日本ダービー、ジャパンカップ、宝塚記念といったG1レースをはじめ、G2では札幌記念と阪神カップが定量で施行されます。

ちなみにですが、G3には定量戦がなく、馬齢重量、別定、そして最後に紹介するハンデキャップのいずれかになります。

ハンデキャップ

ハンデキャップとは、JRAに所属しているハンデキャッパーが背負う重量を決定して行うレースです。
ハンデの違いは、実績や最近のレース内容によって決定されます。

一般的にはこのハンデキャップ、いわゆる「ハンデ戦」が最も馬券を的中するのに難しいと言われています。

なぜかと言えば、ハンデキャッパーはいかに「最後の直線で横一線の状態を作るか」を考えてハンデを決定しているからです。

これはいかに接戦の状態を作って競馬を観ているファンを興奮させるか、最後の最後まで飽きずに熱中してもらうかを考慮しているからと考えられています。

そのため、ファンはもちろんですが、実際に出走させる関係者ですら、出馬表が確定して斤量が発表されるまで何キロを背負うのか分からないのです。

このハンデ戦はG1、G2での施行は無く、G3もしくはOPで施行されます。

3歳限定で唯一のハンデ戦がラジオNIKKEI杯となっており、古馬のレースではG2だと日経新春杯や目黒記念、G3だと中山金杯や小倉大賞典などがあります。

ハンデ戦は良くも悪くも斤量に左右される要素が大きく、その馬の実力を出しきれないケースが多いです。

そのため、単勝オッズが割れる傾向にあり、実際の配当も万馬券が出やすい傾向にあります。

見習い騎手と女性騎手

レースによって重量が決まること以外には、騎手によって重量が変わることがあります。

競馬は競走馬だけでなく、騎手の技量によっても実力の差が顕著になるためです。

見習い騎手の場合、デビュー後から勝利した回数が30回以下の場合、3kg重量が減ります。
勝利した回数が31回から50回のときは2kg、51回から100回以下のときは1kgです。

こういった騎手のことを「減量騎手」と呼ぶこともあります。

騎手の技量が劣る場合でも斤量を活かして逆転するケースもありますので、あえて減量騎手を選んで馬券を買うことによって高配当を得られる場合もあります。

一方で、2016年にデビューした藤田菜七子騎手のような女性騎手も中央競馬には在籍しています。

とはいえ、中央競馬においては女性騎手であっても負担重量が優遇されることはありません。

男性と同じく見習い騎手としての優遇はありますが、それが無くなれば他の騎手と変わりない状況となります。

ちなみにですが、名古屋競馬や笠松競馬など一部の地方競馬では女性騎手が騎乗すると負担重量が軽くなる優遇があります。

まとめ

負担重量は競馬予想において、とても重要な要素です。

基本的には軽い方が有利となりますが、その分だけ実績が劣っているためというケースもあります。

負担重量の計算方法まで覚える必要はありませんが、重要なことは「そのレースにおいて適切かどうか」を見極め、予想の材料にするとよいでしょう。

(補足)
本記事に掲載している重賞レースの負担重量は平成26年度のものです。

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この記事を書いた人

競馬観戦2002年〜馬券2009年〜
生涯収支は確実にマイナスも単複馬券を運用した2014年と2023年は年間収支プラスを達成。
このブログでは馬券の運用状況や騎手の騎乗内容解説を中心とした単複馬券の備忘録を書いていきます。

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