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競走馬のクラス分けと収得賞金

今回は競走馬のクラス分けと収得賞金の体系についてご紹介していきます!

昨日書いた騎手の負担重量についてもそうですが、クラス分けのルールを事細かく覚える必要はないと思っています。

とはいえ、何となくでも知っているのと知らないのでは実際に予想をするときの幅が変わってきます。

特に、昇級と降級がある時期には昇級馬、降級馬かどうかによって人気が変わってきますし、意外な穴馬が発見できる時もあります。

また、収得賞金によって出走できるレースが変わりますので、特に3歳馬のように出走できるレースが限られている立場の場合、何としてでも賞金を取りたい馬はステップレースでもきっちり仕上げてきますし、逆に賞金に余裕がある馬は調整の意味合いが強い出走の仕方をしてくることも珍しくありません。

その辺りも競馬の予想をする上で、重要な要素と言えます。

そういった意味で、少しでも頭の片隅に入れておくことで役に立つ時がくることでしょう。

さて、それでは本題に入っていきますが、競馬では競走馬のレベルに合わせてクラス分けがなされています。

基本的にはレースに勝つことによって賞金が上積みされ、クラスが上がって行く仕組みです。

厳密な計算方法を覚える必要はありませんが、時には賞金の関係で何としてでも出走したレースを勝ちたい馬が出てくる場合がありますので、そういった意味では馬券に繋がるケースもある要素と言えます。

競馬初心者の方には少しだけ難しい話になるかもしれませんので、まずは重要なキーワードからピックアップします。

目次

クラス分け(競争条件)

文字通り、競走馬の実績に応じてレベル分けしないとレースが成り立たなくなるために設けられている制度と言えます。

後ほど詳しく説明しますが、デビュー前の競走馬が新馬となり、G1のようなグレードレースが施行されるのはオープンクラスとなります。

収得賞金

収得賞金とはクラス(競走条件)を区分するために使われる賞金のことをいいます。

中央競馬の場合、レースで1着(重賞競走は2着まで)となったときに、出走したレースの競走条件に応じて収得金額が算入されます。

つまり、実際にその競走馬が獲得している賞金とは異なり、単純にクラス分けに使われる賞金とお考えいただければOKです。

本賞金

本賞金とは1着〜5着に入線した競走馬が獲得できる賞金のことです。

日本の中央競馬の場合、一般的に本賞金と総獲得賞金の2つに分けられています。

その違いについては次に紹介する総獲得賞金でご説明します。

総獲得賞金(総賞金)

総獲得賞金(総賞金)とは、本賞金以外に獲得した賞金も含んだ、まさしくその競走馬が獲得した全ての賞金額を算出したものです。

先にお伝えしておくと、この「総獲得賞金(総賞金)」という呼び方はJRAが公式に定義しているものではありませんので、ご注意ください。

中央競馬においては、6着以下に入線した競走馬にも賞金が与えられます。

6〜8着だった競走馬に対しては出走奨励金と呼ばれる賞金を獲得できます。

また、出走することによって「出走手当」が出走した全ての競走馬に与えられます。

その他にも「距離別出走奨励賞」というものがあり、これは1800m以上の距離に出走した競走馬に与えられます。
これは長距離レースの方が競走馬にかかる負担が大きく、また長距離になればなるほどレース数も多くはないため、出走回数自体が少なくなってしまうことを考慮していると考えられています。

このような、あまりファンには馴染みのないところで様々な賞金が用意されており、それらをトータルしたものが総賞金と言えます。

中央競馬のクラス分け

日本の中央競馬におけるクラス分けは先ほど紹介した収得賞金をもとにした賞金別に分けられており、全部で6種類あります。

それぞれのクラスについて詳しくご紹介していきます。

新馬

新馬とは、まだレースに出ていない競走馬のことをいいます。

レースに出走していない競走馬は、最初は基本的に新馬戦からスタートします。

つまり新馬戦は生涯に一度しか出走できないレースとなります。
(昔は短期間であれば2度の出走が可能でしたが、今は1度だけです。)

競馬予想においては過去の実績が全くないため、血統、騎手、生産牧場、最終追い切りといった要素でしか判断することができません。

いわゆる良血馬の場合はそれだけで人気を集めるケースも多いですが、必ずしも好走するとは限らないため、配当が高くなる場合もあります。

新馬戦だけは少し特殊な条件となりますので、競馬予想や馬券の買い方においても他のクラスとは違った視点が必要と言えます。

未勝利

文字通り、新馬戦を勝つことができずに勝利を収めることができていないクラスの競走馬です。

新馬戦のレースが終了しても出走経験がない競走馬に関しては、この未勝利から出走することもあります。

1勝もしていないことが条件になるため、中にはずっと2着続きで本賞金を稼いでいるものの、収得賞金が0円であるために未勝利クラスから脱することのできない競走馬もいます。

未勝利戦は3歳の10月までしか施行されないため、未勝利のまま競走馬生活を終えてしまうケースも珍しくありません。

それだけ、競走馬にとって「最初の1勝」は非常にシビアであり、重要と言えます。

なお、新馬戦もしくは未勝利戦を勝利することによって400万円が収得賞金に算入されます。

500万円以下

新馬戦、もしくは未勝利戦を勝つことによって、この500万円以下クラスになります。

競馬新聞などでは「500万下」といったレース名や表記で登場します。

ただし、2歳戦の始めの時期は500万円以下がなく、2歳の9月ごろより500万以下に分けられるため、それまでに初勝利をあげた2歳馬はいきなり最上位であるオープンクラスとなります。

また、3歳の中ごろまでは500万以下を勝利するとこちらも最上位のオープンクラスになります。

同じ500万円以下でも「2歳500万下」というレース名と「○○賞」といったレース名に分かれています。

前者のように賞金額をそのまま表記しているレースを一般競争と呼び、新馬戦や未勝利戦も一般競争に該当します。

後者のようにレース名がついているレースは特別競争と呼ばれています。

特別競争とは、事前に特別登録を必要とするレースのことです。

少しだけ話が逸れますが、実はこの特別競争(特別登録)の制度がJRAが出している賞金に密接に関わっています。

特別競争に出走するためには事前に関係者が登録料を支払って登録をします。

しかし、登録したからといって必ずしも出走できるわけではありません。

日本の中央競馬はフルゲート(1レースにおける最大出走数)が18頭と決まっています。

つまり、18頭以上の登録があった場合には抽選が行われ、出走できない馬(除外馬)も出てきます。

関係者から集めた登録料が賞金の一部に充てられていますので、JRAにとってはこの特別競争は運営面において重要な要素と言えますね。

そのため、レースの内容や出走馬の質自体に大きな違いはありませんが、やはり特別競争に出走してくるような競走馬の関係者(特に馬主)はそれなりに資金が豊富であるということは言えるでしょう。

この500万円以下のレースに勝利することによって、500万円が収得賞金に算入されます。

1,000万円以下

1,000万円以下は、収得賞金が501万円から1,000万円クラスとなります。

3歳の秋頃から施行されるようになり、500万下と同じく一般競争と特別競争があります。

1,000万円以下のレースに勝利することによって、収得賞金に600万円算入することができます。

1,600万円以下

1,600万円以下は、収得賞金が1,001万円から1,600万円のクラスとなります。

最上位クラスであるオープンクラスの一つ手前のクラスであるため、「準オープン」と呼ばれることもあります。

このクラスで勝利することによって、収得賞金に900万円算入され、晴れてオープンクラスに入ることができます。

ちなみにですが、基本的に重賞レースに出走できるのはオープンクラスの競走馬ですが、関係者が希望すればオープンクラスのレースに出走することも可能です。

このことを「格上挑戦」と呼びます。

そもそも賞金が足りていないので出走できる可能性がどうしても下がってしまいますが、出走枠に空きがあったりする場合は出走できます。

競走馬の能力や状態によって関係者が判断し、十分に通用すると考えられた競走馬は格上挑戦によって一気に賞金を加算するケースもあります。

オープンクラス

オープンクラスは中央競馬における最も上のクラスで、G1レースのようなビッグレースなど全ての重賞レースがこのオープンクラスとなります。

1,600万円を超える収得賞金によって、オープンクラスに上がることができますので、ここまでくると収得賞金の役割は終わりとも言えます。

オープンクラスは「オープンレース」と「グレードレース」の2つに分かれており、グレードレースがいわゆる「重賞レース」と呼ばれるレースです。

特別な場合を除き、各競馬場で開催されるグレードレースは必ずその日のメインレースとして施行されます。

重賞レースともなれば現役競走馬の中でもレベルの高い競走馬が出走してきますので見応えがありますし、賞金も他のレースに比べて高いので騎手もやる気になります。
(ここでは深く触れませんが、やはり騎手も人間ですので、賞金の高いレースで頑張る騎手もいることはいます。)

グレードレース

オープンクラスの中でもグレードが付いたレースがグレードレースです。

重賞レースとも呼ばれています。

中央競馬は3つのグレードに分かれており、それぞれG3、G2、G1となります。
(GはグレードのGです。)

ほとんどのグレードレースはレース名の方が有名で、開催時期も固定になっているレースがほとんどなので、例えば日本ダービーと言えばG1レースですし、弥生賞と言えばG2となります。

グレードレースはJRAの格付け委員会なるものが管理をしており、毎年ではありませんが、不定期でこれまでオープンレースだったレースがグレードレースに昇格したり、G3だったレースがG2に昇格するといった改定が行われています。

近年で有名なところでは、2016年からそれまで2歳オープンだった「ホープフルステークス」が一気にG2に昇格し、さらに2017年にはG1にまで昇格されました。

ここまで急速な格上げは異例ですが、2017年にはそれまで古馬の中距離G2として施行されてきた大阪杯がG1に昇格されたことも大きな話題となっています。

現在G1レースとして施行されているレースのうち、もともとはG1ではなく昇格して今の位置になったのはフェブラリーステークスや高松宮記念などがあります。

G1に出走するためには、獲得賞金順が基本ですので、オープンクラスまで上がらないと出走が厳しくなります。

ただし、レースによっては優先出走権や出走馬の数などの条件もありますので、オープンクラスでなくても出走することができる場合もあります。

まとめ

各クラスにおいて競走馬の質や施行される条件が異なるため、中にはクラスによって馬券の得意不得意がある方もいらっしゃることでしょう。

まずは最も上のクラスで競走馬のレベルが高いオープンレース、特に重賞レースを中心に見ていくと覚えやすいのでオススメです。

とはいえ、私たち馬券を買うファンにとっては、どのクラスのレースでも基本的には同じ条件です。

確かにオープンクラスの方がデータ量が豊富だったり騎手の技量が分かれることもあって予想はしやすいですが、あえて下位のクラスでも高配当が飛び出したりするケースもありますので、クラスごとに特徴が分かれるところですね。

ちなみにですが、私自身は重賞レースかオープンレースの予想を書いたり馬券を買う場合がほとんどです。

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この記事を書いた人

競馬観戦2002年〜馬券2009年〜
生涯収支は確実にマイナスも単複馬券を運用した2014年と2023年は年間収支プラスを達成。
このブログでは馬券の運用状況や騎手の騎乗内容解説を中心とした単複馬券の備忘録を書いていきます。

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