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作者 Nadaraikon (投稿者自身による作品) [CC BY-SA 3.0], ウィキメディア・コモンズ経由で
今回は今までに開催されたフェブラリーステークスの中から個人的に印象に残っている年のレースや優勝馬を振り返っていきたいと思います。
意外とこういった過去の振り返りの中から、データだけでは見えない予想に役立つ新たな要素が出てくるかもしれませんよ。
2016年 ダート界の新生誕生!
優勝馬:モーニン
昨年の覇者は記憶に新しいと思いますが、ダート界の新生として登場したモーニンでした。
モーニンのデビューは遅く、明け3歳5月の未勝利戦でした。
デビュー戦は京都競馬場のダート1400mで不良馬場というコンディションでしたが、1番人気に支持されると2着馬に5馬身差をつけて圧勝します。
その後は500万下、1000万下、1600万下と順調にデビューから4連勝を飾り、いよいよ11月には武蔵野ステークスで重賞デビューを果たします。
ここまでわずかにキャリア4戦ながら、内容が濃く1番人気に支持されます。
レースでは残念ながら人気に応えられず3着に敗れてしまいますが、その年にデビューしたばかりの馬としては十分な実績を残して2016年を迎えます。
明け4歳となった2016年の初戦は根岸ステークス。
やはりここでも1番人気に支持されると、今度は見事に勝ち切り、デビュー6戦目で重賞初制覇を飾ります。
そして迎えたフェブラリーステークス。
当日はノンコノユメに人気を譲るも2番人気で臨むと、レースでは好スタートから好位をキープ。
直線でも手応え良く伸びていき、最後は猛追するノンコノユメを振り切って見事にG1初制覇を達成しました!
作者 Nadaraikon (投稿者自身による作品) [CC BY-SA 3.0], ウィキメディア・コモンズ経由で
当日は初騎乗のM.デムーロ騎手が鞍上でしたが、初騎乗とは思えない大胆かつ完璧なパフォーマンスを見せ、見事にわずかデビュー1年以内のモーニンをG1ホースに導きました。
2014年 まさかの大波乱!ここからダート界のトップホースへ
優勝馬:コパノリッキー
作者 Nadaraikon (投稿者自身による作品) [CC BY-SA 3.0], ウィキメディア・コモンズ経由で
ダート界のトップホースとして君臨したゴールドアリュール産駒としてデビューしたコパノリッキー。
新馬戦を8着と大敗してほろ苦いデビューとなった一方で、続く未勝利戦では8番人気ながら2着に5馬身差をつける快勝。
ちなみに、この時の単勝は3,590円という波乱を演出しました。
その後は500万下を勝ってオープンクラス入りすると、3着→1着と好走し、中央交流戦の兵庫ChS(Jpn2)では1番人気に応えて重賞初制覇を飾りました。
この時の2着がベストウォーリアで、この時点では同世代で一歩リードした形になります。
休養を挟んで11月の霜月ステークスでは1番人気に支持されますが、まさかの10着と大敗してしまいます。
続くオープンクラスのフェアウェルステークスでも3番人気ながら9着と敗れてしまい、2戦続けて期待を裏切ることになりました。
そして、大敗続きで迎えた明け4歳初戦がぶっつけ本番のフェブラリーステークス。
鞍上には初騎乗の田辺裕信騎手を起用して臨みますが、やはり大敗続きの近走が嫌われてか16番人気という低評価でスタートを迎えました。
それまでと同様、スタートから好位に付けると良い手応えのまま直線へ。
低評価だっただけに人気馬が牽制し合う中、スルスルと先頭に立つと、追いすがる人気のホッコータルマエ、ベルシャザールを退けて見事に1着でゴール板を通過!!
16頭立ての16番人気という最低人気を覆し、単勝27,210円という大波乱を演出して見事にG1ホースとなりました。
その後はフェブラリーステークスがフロックでなかったかを証明するようにかしわ記念を勝利すると、翌年のフェブラリーステークスを見事に連覇。
現時点でG1・Jpn1を通算8勝しており、今年のフェブラリーステークスでは史上初の同一G1・3勝を目指して出走予定です。
2009年 ダート界の強豪が激突!
優勝馬:サクセスブロッケン
2009年のフェブラリーステークスは当時のダート界のトップホースたちが集結したまさに激闘となった1戦でした。
1番人気は2006年の同レース覇者であり、屈腱炎という競走馬としては致命的ともいえる怪我から復活したカネヒキリでした。
2番人気は前年の覇者であり、出走時点ですでにG1を6勝マークしているヴァーミリアン。
既にこの2頭が激突するだけでも見応えがありますが、続く3番人気には3歳時にアメリカに遠征して経験を積んだ外国産馬のカジノドライヴがいました。
さらにこれで終わらず、重賞戦線で好走しているフェラーリピサ、当時4歳で後に通算G1・Jpn1を9勝するエスポワールシチー、前年のジャパンダートダービーを制した3歳王者のサクセスブロッケンなど蒼々たるメンバーが揃っていました。
レースはエスポワールシチーが大方の予想通りレースを引っ張ると、カジノドライヴ、サクセスブロッケンがそれに続き、カネヒキリがマークするような隊列に。
それらの人気勢を見るように武豊騎手鞍上のヴァーミリアンが控える展開となりました。
直線に入るとエスポワールシチーが逃げ切りを図るところにカジノドライヴ、サクセスブロッケン、カネヒキリが襲い掛かります。
逆に人気のヴァーミリアンは予想以上に手ごたえが悪く、上位争いに絡んできません。
最後はカネヒキリ、カジノドライヴ、サクセスブロッケンの三つ巴となり、わずかにクビ差でサクセスブロッケンが勝利。
2着はカジノドライヴが入り、アタマ差でカネヒキリが3着という際どい勝負となりました。
2005年 華麗なる転身でG1ホースの仲間入り!
優勝馬:メイショウボーラー
メイショウボーラーはマイルの王者、タイキシャトル産駒として2003年にデビューしました。
夏の小倉でデビューすると、父譲りのスピード力を発揮し、デビューから重賞2勝を含む4連勝で一気に世代トップに名を連ねます。
世代王者を決める朝日杯FSでは1番人気に支持されるも、わずかクビ差及ばず2着。
明け3歳になると、弥生賞2着、皐月賞3着とクラシック路線で活躍し、その後は血統的な背景からかNHKマイルカップに参戦。
後に日本ダービーも制覇するキングカメハメハの3着に敗れますが、いずれも強力なメンバーの中で善戦を続けます。
最終的に年内は1200~1600mの重賞で活躍しましたが、古馬になった明け4歳の初戦で突如ダート路線に転身します。
ガーネットステークスでダートデビューすると、見事2着に3馬身差をつけて勝利。2歳時に以来の重賞制覇を果たしました。
続く根岸ステークスが圧巻の内容で、なんと2着に7馬身差をつける快勝劇。
父のスピードとパワーをいかんなくダートでも発揮し、ダート重賞を連勝します。
そして迎えたフェブラリーステークス。
上位人気にはアドマイヤドンやユートピア、タイムパラドックスといった強豪馬がいる中で1番人気に支持されると、見事にレコードタイムで優勝。
芝で果たせなかったG1のタイトルをダートの舞台で勝ち取った1頭になりました。
まとめ
個人的に印象に残っている年のフェブラリーステークスをピックアップしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
浅いキャリアで勝利したモーニン、大波乱を演出してトップホースに登って行ったコパノリッキー、芝からダートに転身して大成功したメイショウボーラーなど、その年ごとに様々なドラマがあるのがG1レースの醍醐味ですね。
次回は高松宮記念でもメモリアル記事を書きたいと思っていますので、お楽しみに!!
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